ColumnUP DATE: 2019. 08. 30

連載高級時計を巡る旅

第18回:香り立つウブロ2019年新作

SIHHやバーゼルワールドといった国際的な時計見本市を日本のメディアが注目し始めて早や四半世紀以上が経つ。
HUBLOT(ウブロ)は2019年も例年通り、1月と3月に2回出展し、多くの話題を集めている。
その中から時計店YOSHIDA(ヨシダ)が注目する選りすぐりのモデルを紹介しよう。

Photo: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi (FORM::PROCESS) / Text:Katsuyuki Tanaka / Edit & Text: Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。

時計界のトレンドを占う2大展示会

 時計の世界には、2つの大きな見本市がある。ひとつは毎年1月に開催されるジュネーブでの展示会(代表的存在がSIHH=Salon International de la Haute Horlogerie)、もうひとつは3月のバーゼルワールドだ。

 現在、当展示会以外でも、ジュネーブのホテル等で数多くの時計ブランドが新作発表会を開催している。ウブロは今年もジュネーブにて新作の発表を行った。

2011年よりジュネーブ市内のホテルで独自展示会を開催しているウブロ。また、バーゼルワールドにおいてもその存在感は抜きん出ており、連日多くの来客で賑わっていた。
2019年ジュネーブ発表モデルの話題作。高い耐傷性機能と透明度を持つサファイアクリスタルは、その特性ゆえに加工が極めて困難。カラーサファイアクリスタルの開発に成功したウブロの「スピリット オブ ビッグ・バン」コレクションからは新色のイエローが登場。時計に初めて採用されたイエローサファイアクリスタルは、 “唯一無二” の存在感を放つ。

 一方のバーゼルは北東にドイツ、北西にフランスと国境を接する土地柄、元々当地を流れるライン河を利用した交易基地として発達した商業見本市が起源。その源流は1917年にさかのぼり、現在の時計見本市になったのは1973年である。

 日本のメディアがこれらの展示会に着目し始めたのは1992年頃で(一部は1980年代から)、私は1994年から取材で訪問している。時計ブランドの中には両展示会の特性を考慮し、1月と3月に年に二度も展示会を開催する例もあり、ウブロはその筆頭ブランドである。

トレンドに応える豊富なサイズ展開に注目

 では、まず1月に発表された新作を紹介しよう。「YOSHIDA 東京本店」店長の見解は以下の通りだ。
「ウブロの新作をみると、ケースの小型化が顕著になってきました。以前は45mmケースが主流でしたが、42mmなどが登場。さらに自社ムーブメント“ウニコ”を『ビッグ・バン』の42mmケースに搭載してきています」

 これは欧米人と比べて腕が細い日本人には嬉しい傾向。“デカ厚”時計が流行ったのは2000年代に入ってからだが、我々の体型によりフィットする時計が今、どんどん登場しているのだ。

 これは時計会社の立場から見るとかなりの冒険。例えば、ファッションの世界においては、サイズによる余剰在庫がリスクのひとつであるが、製造コストが段違いに高額な“機械モノ”ではそのリスクはかなり大きい。ウブロはムーブメントやケース素材等の開発のみならず、サイズの開発においても相当な冒険家である。

 今回のジュネーブにおける最大の話題作といえば「スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア」だ。これまで高度な透明度を実現したモデルや、それとは真逆のブラックスモーク、そしてブルーやレッドのサファイアクリスタルで成功してきたウブロ。今回のモデルでは耐衝撃性を誇るため、その高硬度から着色や切削に困難を極めるサファイアクリスタルで、ついにイエローが登場した。

 また着色加工が困難なセラミックにおけるパイオニアであるウブロは、YOSHIDAでも“よく売れている”リチャード・オーリンスキーとのコラボレーションモデル「アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック」では、鮮やかで高い香気を感じるレッドセラミックを用意。

 さらに「ビッグ・バン ウニコ GMT チタニウム ブルーセラミック」と「ビッグ・バン ウニコ チタニウム ホワイト」は、自社開発・製造ムーブメント“ウニコ(UNICO)”を搭載したハイパフォーマンスの新作だ。時計初心者から上達者までカバーする布陣である。

641.JY.0190.RT スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア

スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア

通常、時計の風防に採用されるサファイアクリスタルは、ダイヤモンドに次ぐ硬度9を誇り耐傷性においては抜群の存在。さらに高透明度のため着色にムラが生じやすく加工の難しい当素材を複雑な形状のケースに採用。もはや時計という精密機械の枠を超えた存在感には驚く。

■641.JY.0190.RT ■42mm ■イエローサファイアクリスタルケース ■イエロースケルトンストラップ ■自動巻きスケルトンクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定100本 ■¥12,031,200(税込)

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525.CF.0130.RX.ORL19 アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック

アエロ・フュージョン クロノグラフ
オーリンスキー レッドマジック

“腕に着けるアート”。2018年からスタートした仏の現代アーティスト、リチャード・オーリンスキーとのコラボモデルは、その独創的な3次元ファセット構造が特徴。本作はウブロが約4年の歳月を経て開発した、セラミックへの着色・製造技術によるレッドマジックが登場だ。

■525.CF.0130.RX.ORL19 ■45mm ■レッドセラミックケース ■レッドラバーストラップ ■自動巻きスケルトンクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定200本 ■¥2,764,800(税込)

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471.NL.7112.RX ビッグ・バン ウニコ GMT チタニウム ブルーセラミック

ビッグ・バン ウニコ GMT チタニウム ブルーセラミック

落ち着きある色調のブルーセラミックをベゼルに採用。自社開発・製造ムーブメントCal.HUB1251 UNICO搭載の、デイ&ナイト表示付きGMTモデル。オープンワーク・ダイアルにより精密機構が視認可能。ケースにチタニウムを採用することで装着時の軽量感抜群、手放せない1本となった。

■471.NL.7112.RX ■45mm ■チタニウムケース ■ブルー×ブラックラバーストラップ ■自動巻きGMT(自社開発・製造”UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■¥2,397,600(税込)

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441.NE.2010.RW ビッグ・バン ウニコ チタニウム ホワイト

ビッグ・バン ウニコ チタニウム ホワイト

2018年に登場したケース径42mmの「ビッグ・バン ウニコ」。当モデルのために従来の自動巻き自社開発・製造ムーブメントを再設計したCal.HUB1280 UNICOを搭載するフライバッククロノグラフである。ケース厚も薄くなり、より幅広いサイズ選択が可能になる。

■441.NE.2010.RW ■42mm ■チタニウムケース ■ホワイトラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造”UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■¥2,041,200(税込)

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激震の2019年バーゼルワールドで登場したウブロの話題作

 2019年のバーゼルワールドは、10~20年先の時代から振り返れば「激震の年」と言われるかもしれない。

 早い話が主要出展主であるスウォッチ グループの全ブランドが、当展示会から脱退したのである。

 このような大揺れのスイス時計界だが、我関せずと言う姿勢で怒涛の新作を発表したのがウブロだ。しかも、バーゼルの先行き不透明感を吹き飛ばすような大変魅力ある新作が登場した。これについて、「YOSHIDA 東京本店」店長は以下のように語る。
「一番のお薦めモデルは『クラシック・フュージョン フェラーリ GT チタニウム』ですね。クラシック・フュージョンとは銘打っていますが、従来のものとは仕様が全く異なります。とにかくカッコ良い。時計にフェラーリの精神が宿っているという印象です」

526.NX.0124.VR クラシック・フュージョン フェラーリ GT チタニウム

クラシック・フュージョン フェラーリ GT チタニウム

クラシック・フュージョンでは初のフェラーリ、かつ初の自社開発・製造ムーブメント、ウニコCal.HUB1281を搭載する新作。伊モデナ県のマラネッロにあるフェラーリ・デザインセンターが外装デザイン、ムーブメントはウブロが担当した真のパートナーシップモデル。「快適かつスタイルを保ちながら、高速で長距離を走る」が真髄のGT=グランツーリスモの精神を体現する。

■526.NX.0124.VR ■45mm ■チタニウムケース ■スケドーニレザー×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造“UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■世界限定1000本 ■¥2,516,400(税込) ■2019年9月発売予定

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526.OX.0124.VR クラシック・フュージョン フェラーリ GT キングゴールド

クラシック・フュージョン フェラーリ GT キングゴールド

プッシュボタンや針等にフェラーリカラーのレッドを配色し、ふたつの並列インダイアルを含めたケース全体がGTカーのメーターを想起させるデザイン。ストラップはフェラーリカーの内装やレザーグッズに採用されているスケドーニ社製だ。メカニズムに精通したフェラーリだからこそ誕生した機械式時計の超・快作品。

■526.OX.0124.VR ■45mm ■18Kキングゴールドケース ■スケドーニレザー×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造“UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■世界限定500本 ■¥4,449,600(税込) ■2019年9月発売予定

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 記憶にある限り、著名なカープロダクトと時計会社とのコラボレーションは、1990年代半ば頃より散見し始めた。しかし最も皮肉な問題点は「クルマのステイタスと時計のクオリティがマッチしないこと」。要するに、クルマの名称に時計の完成度が及ばないのである。

 その点、ウブロのフェラーリモデルは、白紙の状態から描き上げた絵画のような斬新さと創造性に富んでいる。

 フェラーリとのパートナーシップは2011年に始まるが、特に印象に残るのが2017年の「テクフレーム フェラーリ トゥールビヨン クロノグラフ」。当モデルは、フェラーリ70周年を祝し、マラネッロのフェラーリ・デザインセンターでデザインされ、ウブロによって製作された初めての時計。 そして、今回の「クラシック・フュージョン フェラーリGT」シリーズも、この「テクフレーム」と同様に両社の共同製作により誕生した。

 搭載ムーブメントは自社開発・製造の自動巻きHUB1281 UNICO。ケース素材はチタニウム、3Dカーボン、18Kキングゴールドの3種類で、世界限定数は各1000本、500本、500本になる。3モデル合わせても世界でわずか2000本しか販売されない希少種で、各国間では当然のことながら、日本国内店舗間でも争奪戦必至である。

 このほかは日本限定の「クラシック・フュージョン ベルルッティ スクリット フラットビアンコ」。日本でもシューエンスージアストの最高位にあるベルルッティとウブロのコラボレーションシリーズは、特に密閉されたケースの中で金属物質のダイアルに有機物の革を嵌め込んだ技術にも感心する。

 また「YOSHIDA 東京本店」でも人気がある「クラシック・フュージョン オーリンスキー」シリーズ。フランスの新進気鋭の現代美術家・リチャード・オーリンスキーの手による独特のファセットデザインをまとったシリーズも、フェラーリと同様、白紙の状態から創り上げた作品としての存在感がある。

511.NE.050W.VR.JBER19 クラシック・フュージョンベルルッティ スクリット フラットビアンコ

クラシック・フュージョン
ベルルッティ スクリット フラットビアンコ

2016年のバーゼル初登場以来、注目度抜群の「クラシック・フュージョン ベルルッティ」シリーズ。昨年発表され大好評の日本限定カラー、フラットビアンコから3針モデルが登場。ダイアルとストラップには、18世紀のカリグラフィーに触発されたスクリット文字が刻印されたヴェネチアレザーを採用。チタニウムケースとホワイトヴェネチアレザーにより清涼感溢れる新作が完成した。

■511.NE.050W.VR.JBER19 ■45mm ■チタニウムケース ■ベルルッティ ヴェネチアレザー “フラットビアンコ”(スクリット装飾)×ホワイトラバーストラップ ■自動巻き ■5気圧(50m)防水 ■日本限定100本 ■¥1,555,200(税込) ■2019年9月より取扱開始予定

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550.NS.1800.RX.ORL19 クラシック・フュージョン オーリンスキー チタニウム

クラシック・フュージョン オーリンスキー チタニウム

3年目を迎えたモダンアートの旗手リチャード・オーリンスキーとのコラボレーションの新作は、本人の強い要望によりケース径40mmのクラシック・フュージョンで誕生(従来の2コレクションはいずれもケース径45mm)。ファセット加工が施された多面体構造は、ケースのみならずブラックダイアルにも及び、時計全体がひとつの彫刻オブジェへと昇華した。

■550.NS.1800.RX.ORL19 ■40mm ■チタニウムケース ■ブラックラバーストラップ ■自動巻き ■5気圧(50m)防水 ■¥1,317,600(税込) ■2019年8月発売予定

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花も実もあるウブロの2019年新作ラインナップ5選

目新しいデザインにも目を奪われるが、“定番のブラッシュアップ”という側面でもウブロは抜きん出たポテンシャルを発揮する。パヴェ装飾が施されたスタイルは腕元に華やぎを与えてくれることは言うまでもない。

ロイヤル オーク オフショア・トゥールビヨン・クロノグラフ 26407BA.OO.A002CA.01

ビッグ・バン ウニコ チタニウム パヴェ

ケースに170個(約0.8カラット)、ベゼルに126個(約1.1カラット)ものダイヤモンドをセッティング。
加えてリスターティングフライバッククロノグラフ機能を備える、自社開発・製造ムーブメントの
自動巻きCal.HUB1280 UNICOを搭載し、まさに花も実もある一品だ。パワーリザーブは約72時間。

■441.NX.1170.RX.1704 ■42mm ■チタニウム+ダイヤモンド(296個セッティング)ケース ■ブラックラバーストラップ
■自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造”UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■¥3,423,600(税込)

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441.OX.1180.RX.1704 ビッグ・バン ウニコ キングゴールド パヴェ

ビッグ・バン ウニコ キングゴールド パヴェ

ダイヤモンド数などのスペックはチタニウムモデルと同じだが、こちらは18Kキングゴールドケースを採用。マットブラックのオープンワーク・ダイアルと、左右のブラックリブとの相乗効果で表れる凄味に圧倒される。これほどの豪華版にまでラバーストラップを組み合わせるのがウブロのDNA。

■441.OX.1180.RX.1704 ■42mm ■18Kキングゴールド+ダイヤモンド(296個セッティング)ケース ■ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ(自社開発・製造”UNICO”) ■10気圧(100m)防水 ■¥5,583,600(税込)

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665.NE.2010.LR.1604 スピリット オブ ビッグ・バン チタニウム ホワイト パヴェ

スピリット オブ ビッグ・バン チタニウム
ホワイト パヴェ

ウブロの主要3コレクションの一角を成すトノー型ケースの「スピリット オブ ビッグ・バン」。ケースに156個(約0.9カラット)、ベゼルに50個(約1.0カラット)のダイヤモンドがセッティングされた当モデルは、自動巻き搭載でさらに10気圧の防水性能を確保。内面と外観を両立させた、小振りながらも侮れない存在である。

■665.NE.2010.LR.1604 ■39mm ■チタニウム+ダイヤモンド(206個セッティング)ケース ■ホワイトアリゲーター×ホワイトラバーストラップ ■自動巻き ■10気圧(100m)防水 ■¥2,689,200(税込)

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665.OE.2080.LR.1604 スピリット オブ ビッグ・バン キングゴールド ホワイト パヴェ

スピリット オブ ビッグ・バン キングゴールド
ホワイト パヴェ

マットホワイトのダイアルと、ホワイトアリゲーター×ホワイトラバーストラップとの好相性が時計の品格を高めたモデル。18Kキングゴールドの程よい上品さも功を奏している。ケースに156個(約0.9カラット)、ベゼルには50個(約1.0カラット)のダイヤモンドをセッティングする正統派ジュエリーモデル。

■665.OE.2080.LR.1604 ■39mm ■18Kキングゴールド+ダイヤモンド(206個セッティング)ケース ■ホワイトアリゲーター×ホワイトラバーストラップ ■自動巻き ■10気圧(100m)防水 ■¥4,136,400(税込)

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グランド・コンプリケーションレトログラード日付表示針付永久カレンダー■5496P

スピリット オブ ビッグ・バン キングゴールド パヴェ

ジュエリーウォッチのお手本のようなデザインだが、ウブロの手に掛かると凛とした強さを感じるモデル。これは宝飾ファーストではなく、“時計屋”としてのこだわりが随所に滲み出ている。機械式、パワーリザーブ約50時間、10気圧防水性能がそのこだわりである。

■665.OX.1180.LR.1604 ■39mm ■18Kキングゴールド+ダイヤモンド(206個セッティング)ケース ■ブラックアリゲーター×ブラックラバーストラップ ■自動巻き ■10気圧(100m)防水 ■¥4,136,400(税込)

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YOSHIDA 東京本店
住所/東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5 Google Map
電話/03-3377-5401
営業時間/10:00~20:00
休業日/年中無休(1月1日~1月3日を除く)

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