ColumnUP DATE: 2019. 02. 28

連載高級時計を巡る旅第6回:無限に広がる「ロイヤル オーク」の世界

AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)を代表するコレクションといえば、
「ロイヤル オーク」であることに異論を挟む人はいないだろう。
YOSHIDA(ヨシダ)でも極めて人気が高く、
進化し続ける定番ウォッチの勢いはとどまることを知らない。

Photo: Masahiro Okamura (CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi (FORM::PROCESS) / Text:Shinoda Tetsuo / Edit:Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。

稀代の天才時計師ジェラルド・ジェンタによるデザイン画。

PART.1絶対的満足感を得られる、
高級時計のマイルストーン


 1972年に誕生した“ラグジュアリースポーツウォッチ”の原点である「ロイヤル オーク」は、天才時計デザイナーのジェラルド・ジェンタが手掛けた英国艦艇ロイヤル オークの舷窓をイメージした8角形のベゼルや、ビスの方向までデザインに取り入れている視点など、アイコニックなデザインで人気だ。しかし魅力はそれだけではない。

 ここでは思いっきり私見を述べていきたい。私が「ロイヤル オーク・オートマティック」を購入したのは、もう6年以上も前のことになる。すでに100万円台の時計は何本も所有していたが、漠然と“普段使いができる最高峰の時計は何だろうか?”と考えていた。この場合の普段使いとは、「ケースがコンパクトで、デザインに癖がなく、操作が簡単」ということ。スーツにもカジュアルにも似合い、海外出張にも持っていける頑丈でオールマイティな時計を探していたのだ。

  世の中には様々な時計が存在しているが、この条件に合致する時計は少ない。クロノグラフはデザイン性が高く、スーツに合わせるには主張が強い。ダイバーズウォッチはケースが大きく、GMTはベゼルが煩い。ステンレスのスチールケースとブレスレットを持ち、3針でカレンダー以外の付加機能がない時計を探すと、それほど選択肢ない。そこで浮上したのが「ロイヤル オーク・オートマティック」だった。

 当時はケース径が39mmで、ケースの厚みも9.4mm。シャツの袖口にすっと馴染む絶妙なサイズ感のおかげで、シーンを問わずに使える。最新モデルは41mm径&10.4mm厚だが、これは十分に許容範囲だろう。8角形のベゼルは主張が強いが、ヘアライン仕上げなので輝きは控えめだ。

1972年に誕生したファーストモデル5402STは、
時計史に残る傑作である。

前作の登場を機にケース径を41mmへと拡大したが、
基本的なデザインは変わらない。

 なるほどと納得して購入して以来、いまだに我が時計ワードローブのトップに立ち続けている。その後、いわゆる“4大ブランド”を網羅したが、今でも「ロイヤル オーク・オートマティック」が一番なのだ。それどころか、周囲ではユーザーが増えている。パッと思い浮かぶだけでもファッション誌の編集者に3名、モデル1名、フォトグラファー1名、経営者1名。これほどの“カブリ”が発生している時計は他にはない。それでもまったく嫌にならない(むしろ嬉しかったりして)のは、この時計が優れている証明だからだ。

 着用するたびに感動するのは、ケースやブレスレットの磨き。フラット面はヘアライン仕上げだが、斜面をポリッシュ仕上げにすることでメリハリのある輝きが生まれている。さらには個人的な嗜好だが、ダイヤルと風防ガラスの距離が極めて近いという設計も好きだ。

 ここまで完全なる私見を述べてきたが、これこそが「ロイヤル オーク・オートマティック」の魅力ではないかと考える。もちろん1972年からデザインコードを変えないという信念や、広がり続けるバリエーションなど、語るべきポイントもあるが、何よりも大切なのは「本当に使いやすい時計である」ということに尽きる。

 YOSHIDAの店頭を見渡しても分かるように、現在はクロノグラフやレディスモデルなども増えており、その陣容は充実する一方である。ただし問題もあって、この時計の満足度が高すぎて、他の時計に対するハードルが上がってしまった。「ロイヤル オーク・オートマティック」というのは、ずいぶんと罪作りな存在なのである。先日SIHH2019で発表されたばかりの新作への期待も高まるばかりだ。

ロイヤル オーク・オートマティック

■15500ST.OO.1220ST.03 ■41mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■自動巻き ■50m防水 ■¥2,160,000(税込) ■SIHH 2019新作

商品詳細はこちら

PART.2「非日常」を日常使いする贅沢

八角形ベゼルやエッジを利かせたケースなど、デザインに存在感があるので、様々な機構を搭載しても綺麗にまとまる。

 1972年に誕生した「ロイヤル オーク」だが、誕生当初は批判も少なくなかったそうだ。ドレスウォッチ並みの美しい仕上げとスリムなケースを持ち、頑強で防水性に優れたスポーティなスペックを備えた“ラグジュアリー・スポーツウォッチ”は、生まれながらにしてアバンギャルドな存在だった。

 しかし40年以上もそのスタイルを曲げなかった結果、現在では、様々な機構やスタイルを受け止めるコレクションへと成長していく。「ロイヤル オーク」が幅広く発展できたのは、スポーティゆえにサイズに余裕があること。さらにオーデマ ピゲの看板コレクションなので、積極的に時計技術を取り入れることができる。そのためロイヤル オークは自由に進化できた。それだけ“体幹の強い”コレクションなのだ。

1955年に製作されたパーペチュアルカレンダーモデル。
当時はダイヤル外縁部で日付を表示する方法を用いていた。

 原点である2針モデルや人気の高い3針モデル、クロノグラフやデュアルタイムモデルが基本形だが、今回注目するのは、YOSHIDAでも数多く取り扱われているハイ・コンプリケーションである。

 これらはオーデマ ピゲの歴史を語る重要な機構であり、美しいドレッシーなケースに収められ、特別なイベントの時にだけ登場する“ここ一番の時計”として作られている。

 しかし敢えてタフな「ロイヤル オーク」に搭載することで“日常使いできる時計”に仕上げてきた。これは“ラグジュアリー・スポーツウォッチ”というカテゴリーに属する他ブランドにはない優位点といえるだろう。

 そもそも老舗オーデマ ピゲは、1875年の創業当初からハイ・コンプリケーションウォッチを作ってきた技巧派だった。それはケースが小さな腕時計の時代になっても変わらず、1949年には日付、曜日、月、ムーンフェイズを搭載したコンプリートカレンダーモデルを発表。さらに1955年には閏年表示を加えたパーペチュアルカレンダーウォッチを発表している。パーペチュアルカレンダーとは、月の大小だけでなく閏年の有無まで把握して動く上級カレンダー機構だ。

 しかしながら、名門オーデマ ピゲであっても、クオーツ革命の影響からは逃れられなかった。なんと事業規模が1/3に縮小してしまい、存続の危機に立たされてしまうのだった。この苦境を脱したのも、パーペチュアルカレンダーだった。1978年に完成させた厚さ3.95mmの世界最薄(当時)のパーペチュアルカレンダームーブメントが時計愛好家から評判となり、機械式時計の価値を見直す契機となったのだ。

 つまりオーデマ ピゲにとってパーペチュアルカレンダーは歴史的に見ても極めて大切な機構ということ。なるほど、「ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー」は、ロイヤル オークとパーペチュアルカレンダーという二つの偉大なる遺産を融合させたという特別な存在なのである。

ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー

■26574ST.OO.1220ST.01 ■41mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■自動巻き ■20m防水 ■¥6,858,000(税込)

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1986年に発表したこのモデルは、オーデマ ピゲ初のトゥールビヨンウォッチ。
現在でも世界最小サイズである。

 「トゥールビヨン」機構も然りだ。重力の影響による精度悪化を防ぐために、脱進機を丸ごと回転させてしまうという高精度機構であり、その優雅な動きでも人気を博している。この機構の誕生は1801年まで遡るのだが、設計が複雑なためほとんど作られることはなかった。この機構が腕時計に取り入れられるようになったのは、1980年代以降。オーデマ ピゲでは1986年に世界で最も小さなトゥールビヨンウォッチを製作している。

 その後もいくつものトゥールビヨンモデルを製作しきたが、衝撃に弱い繊細な機構ゆえに、やはりドレッシーウォッチに搭載されることが多かった。しかし近年は、「ロイヤル オーク」にも搭載されるようになった。「ロイヤル オーク」にトゥールビヨン機構を搭載するにあたって、オーデマ ピゲの技術者がこだわったのは装着感だった。薄型ムーブメントを開発してケースの厚みを抑え、スポーティなのにエレガントという“ロイヤル オークらしい”時計に仕上げている。

ロイヤル オーク
トゥールビヨン・エクストラ シン


■26522ST.OO.1220ST.01 ■41mm 
■プラチナケース&ブレスレット ■自動巻き ■50m防水 
■価格要問合せ


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 極めつけの一本がある。それこそが、こちらの「ロイヤル オーク・ミニッツリピーター・スーパーソヌリ」にほかならない。「ロイヤル オーク」の姿はそのままにミニッツリピーターを搭載すると言う離れ業をやってのけたことに加えて、「ロイヤル オーク」シリーズでは唯一となるスモールセコンドの仕様も注目に値する。ちなみにこのモデルの取り扱いは、全世界でYOSHIDAのみである。

 歴史と伝統、技巧に優れた特別な価値のある時計は、毎日だって使いたい。ハイ・コンプリケーション機能の「ロイヤル オーク」は、そんな時計愛好者のわがままに答えてくれる。そして、YOSHIDAではそんな特別なモデルを豊富に手に取ることができるのだ。

ロイヤル オーク・ミニッツリピーター・スーパーソヌリ

■26591PT.OO.D002CR.01 ■42mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ
■手巻き ■20m防水 ■YOSHIDAスペシャル ■¥43,470,000(税込)


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進化し続ける定番、「ロイヤル オーク」の魅力

 1972年に登場したファーストモデルのDNAを継承しながら、時代とともに進化し続ける「ロイヤル オーク」。そこには定番モデルの枠では収まらない、“懐の深さ”があるのだ。

ロイヤル オーク
トゥールビヨン・エクストラ シン


特殊な錬金加工のホワイトゴールド製ケース&ブレスレットと複雑機構の花形であるトゥールビヨンの競演は贅の極みにほかならない。

■26520BC.GG.1224BC.01 ■41mm ■18Kホワイトゴールドケース&ブレスレット ■手巻き ■50m防水 ■YOSHIDAスペシャル ■¥20,736,000(税込)

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ロイヤル オーク・クロノグラフ

18Kピンクゴールド製のケース&ベゼル、「グランド・タペストリー」ダイヤル、鮮やかなアリゲーターストラップと三拍子揃った美しいクロノグラフ。

■26331OR.OO.D315CR.01 ■41mm ■18Kピンクゴールドケース&アリゲーターストラップ ■自動巻き ■50m防水 ■¥4,320,000(税込)

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ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー

4つのインダイヤルでカレンダーやムーンフェイズを表示。綺麗な配置バランスもオーデマ ピゲの伝統だ。ダイヤルの外側には欧州で使われることが多い週表示が入る。

■26574OR.OO.1220OR.02 ■41mm ■18Kピンクゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き ■20m防水 ■¥10,746,000(税込)

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